「キラキラ☆プリキュアアラモード」もついに第4クールに突入しました。最後の決戦に向けてこれからお話がどんどん動いていきます。この時期のプリキュアは毎週毎週、盛り上がっていくので本当に楽しみなのですよね。
第39話「しょんな〜！プリキュアの敵はいちご坂！？」でも、長らく眠っていた妖精ピカリオ（ジュリオ）がプリキュアのピンチに駆け付ける胸熱な展開で、ネットでの反応も上々でした。
SNSなどを見ると「ジュリオが光堕ちして良かった〜」みたいな反応が多々見られました。
ん？
光堕ち??
「闇（やみ）堕ち」なら聞いたことはあるけど、「光堕ち」？
光なのに堕ちるの？
……自分にはあまり聞きなれない言葉だったので、ちょっと調べてみました。
ただ、今回も魅力的なお話すぎて、ちょっと語りたいこともあります。
「光堕ち」の話は後半で。
・著者：kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
●第39話「しょんな〜！プリキュアの敵はいちご坂！？」
第39話では妖精大会議でレッツラ・クッキング中に町にグレイブが襲来。洗脳されたいちご坂住人に手を出せなくて大ピンチに陥るプリキュア。最後に助けにきたのは復活したジュリオ、といったお話が展開されました。
●心の闇は誰にでもある。
かつて闇の力に操られていたガミーが言います。
「お前が謝ることじゃねえ。もともと俺の心のなかにあった闇のせいさ。それはこいつも一緒なんだろ」
キラキラ☆プリキュアアラモードでは「心の闇」を否定しません。
「心の闇」はみんなが持っているもので、ノワールはそれを「増幅させているだけ」とします。
ガミーたち妖精も、（元）敵幹部ビブリーも、今回復活したピカリオも、町の人も、プリキュアも。
「心に闇がある」ことは一貫して描かれ、プリキュアはその「心の闇」を「消し去る」のではく「認め、共存する」のが今作の特徴だと思います。
「100％の悪意」を自称する敵にスイーツの光は届くのか、プリキュアがどのような対応していくのか楽しみです。
●リオくん、復活
今回のお話の一番の見どころは何といっても「ピカリオ」の復活でした。
プリキュアのピンチにカッコつけて駆け付けるその姿は正に正義のヒーローでしたよね。
ピカリオ（妖精）、黒木リオ（一般市民形態）、ジュリオ（仮面付けた敵幹部）の3つの姿に加え、今回新たな白い形態が加わり、ピカリオは劇中で4つの姿を見せることになりました。おしゃれさんです。
イケメンヒーローは最後に現れる。プリキュアっぽさ全開の熱い展開でした。
その直前にビブリーがわざわざ「愛だのやさしさだの戦いの邪魔になる弱点がある」という前フリをしてくれたのは「愛や、やさしさこそがそれを打開する鍵である」ってことですものね。次週が楽しみです。
あと、リオ君といえば「高い所から現れる」のが定番なのでぜひそれも実現してほしいです。
光堕ち……って何？
さて、今回ピカリオが「光堕ち」した、といわれています（正確には、ピカリオは一度「闇堕ち」してからの「光堕ち」なので「光出戻り」なのでしょうけど……）。
この「光堕ち」（光落ち）という言葉。
いわゆる「闇堕ち」の対義語にあたる言葉で、あるキャラクターが悪の側から、正義の側になることを指すようです（それならば、「光堕ち」ではなく「光昇り」になるのでは……と思わなくもないですけど……）。
「光側に堕ちる」というのは、日本語的にもなかなか面白い言葉ですよね。
「光堕ち」というのはできた言葉らしく、少なくとも自分はネットを眺めていて初めて知った言葉でした（はっきりとした定義もまだないようです）。
プリキュア界隈（かいわい）でも、自分のような古い人間にはなじみが薄かったのですけど、最近はキュアパッション、キュアビート、キュアスカーレットのように元敵側からプリキュアになると「光堕ちキュア」みたいな感じで使われ出しているようです。
「悪側だったキャラクターが善側へ」という概念自体は物語の王道で昔からあるものですよね。
当時は「白化」「漂白」「浄化」「改心」みたいに言われていた言葉が「光堕ち」という言葉に変わってきたのでしょうか（自分の知る限り、「フレッシュプリキュア！」の敵幹部ウエスター、サウラーがプリキュア側に付いたときは「白化」といわれていました。アレは服が驚くほど真っ白になったからだと思いますけど……）。
「光堕ち」という言葉は浸透しているのか？
さて、「光堕ち」という言葉がどれくらい浸透しているのか気になったので、自分のTwitterでアンケートをとったところ、
・最近知った：7％
・昔から知っている：30％
・何となく意味は分かる：30％
・知らない：33％
（n=244）
という結果でした。
自分のフォロワーさんを起点としたアンケートなので、プリキュア界隈の人が多いのですが、それでも知らない人が33％で、知っている人、意味が分かる人が計67％もいるのは個人的には意外と多い、と思います。
「光堕ち」。
プリキュア界隈では浸透している言葉のようです。
そもそも、この「光堕ち」という言葉。
一体、いつごろから使われだした言葉なのでしょうか？
主にプリキュア界隈でいつごろから使われ出したのか、2つの観点から調べてみました。
・調査方法
1．グーグルの「期間指定検索」
グーグルでの検索は「期間を指定して」検索できるので「光堕ち」「光落ち」をプリキュアが始まった2004年から1年ごとに期間を区切って検索して、その言葉の有無を調査。
2：某大型掲示板での使用
某大型掲示板のプリキュア関連の過去ログを調べて、いつごろから使われだしたのかを調査。
その結果、
「光堕ち」「光落ち」という単語は、
2004年 なし
2005年 なし
2006年 なし（満薫のときには使われず）
2007年 なし
2008年 なし（映画ダークドリームのときにも使われず）
2009年 なし（キュアパッションのときには使われず）
2010年 なし
2011年 なし（キュアビートのときには使われず）
2012年 なし
2013年 個人ブログで数件ヒット
2014年 まとめブログおよび個人ブログで数件のヒット
2015年 ピクシブのタグに登録され、ピクシブ大百科に登録
（キュアスカーレットのときには使われている）
2016年 チクルンのときに一部で使われている
2017年 ビブリー、ジュリオらのときに使われている
といった感じでした。
プリキュアで「光堕ち」という単語が使われだしたのは2013年ごろ。
2015年キュアスカーレット誕生の際に一般化され、それ以後「光堕ちキュア」などの言葉が一部で使われ出したようです（それ以前は「浄化」「白化」「漂白」「味方化」「改心」などが使われていました）。
自分のような古い頭しか持ち合わせていないと「光堕ち」という言葉には違和感を覚えなくもないですが、「光」に「堕ちる」って表現は、すてきだと思いますし、「白化」よりは意味が通りやすいと思うので、今後も使われていくものと思われます。
キラキラ☆プリキュアアラモードでは、元敵幹部ビブリーや、今回のピカリオなど「光堕ち」したキャラクターが多数出てきているのも特徴です。
悪側から善側へ「光堕ち」したキャラクターというのは、基本とっても強いので、子どもにも人気が出るみたいですよね。
プリキュア界隈ではちょくちょく聞くようになってきた、この「光堕ち」という表現。
自分の観測範囲ではプリキュア以外ではあまり使われていないような気もしますが、どうなのでしょう？
普通に使いますか？
ああ、でもやっぱり自分は、「光堕ち」という言葉には少しだけ抵抗があるなあ……。
☆プリキュアレコメンド☆
毎回、その週のプリキュアのお話が気に入った方におすすめする、過去プリキュアストーリーを紹介していきます。
キラキラ☆プリキュアアラモード第39話「しょんな〜！プリキュアの敵はいちご坂！？」がお気に召した方は、下記のプリキュアストーリーもおすすめです
今回は「プリキュアのピンチに駆け付ける元敵幹部」に焦点を当てた珠玉の3話を紹介します（偶然にも選んだ話が全部「第48話」でした。）。
・ふたりはプリキュアSplash☆Star第48話「最終決戦! 奪われた緑の郷!」
アクダイカーンによって創られた双子の姉妹、桐生満と薫。ふたりはプリキュアSplash☆Starという作品を象徴するキャラクターだと思います。この第48話では妖精ムープとフープの力を経て満薫2人が「月フォーム」「風フォーム」へと変わります。「花が咲き、鳥が舞う。風が薫り、月は満ちる。それが私たちの世界。」ラストのセリフが良いですね。
・フレッシュプリキュア！第48話「最終決戦！キュアエンジェル誕生！！」
ウエスターとサウラー。プリキュア最大のピンチに駆け付けるかつての強敵。しかも衣装が白くなって。そして言うのです。「俺達もプリキュアに教わった。その子のように人を思いやる心こそが大切だと」「『そして、みんなで助け合っていけば笑顔になれる。幸せになれるってね！』もう最高です。
・Go！プリンセスプリキュア第48話「迫る絶望…！絶体絶命のプリンセス！」
ディスピアから失敗作の烙印を押され生きる事の意味さえ失っていた元幹部のシャット。この回では最後の最後、最高のパンチをクローズにお見舞いしプリキュアを助けます。
「変わるぞ私達も……ディスピアの呪縛から抜け出すのみ！」。シャットさん最高に輝いていました。
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